【ココだけ見ればOK!】源泉徴収票の見るべき大事なポイントとは?
2023-06-19
源泉徴収票とは、税金や社会保険料の控除などを行った給与や報酬の支払明細書のことをいいます。
会社員であれば通常毎年、もしくは離職するときにもらいますが、
書かれている言葉が小難しく、枠も多いためどこを見ればいいのかわからない方もいるかと思います。
本記事では、源泉徴収票の簡単な見方や使用する際のポイントについて解説します。
【はじめに】源泉徴収票とは?
源泉徴収票とは、毎年1月から12月までの1年間の給料の総額や所得税や住民税、健康保険料、厚生年金保険料などの税金や社会保険料の控除金額などが書かれている書類です。
会社員や公務員はもちろん、アルバイトやパートの人も必ず受け取ります。
受け取る時期は、年末調整後になるので12月末から翌年1月になることが多いです。
途中退職した場合は、退職した1か月以内に受け取ることになり、
転職した場合は、前の会社からも今の会社からも受け取ることになります。
出典:国税庁「令和 年分 給与所得の源泉徴収票」
源泉徴収票の大事なポイント4選
源泉徴収票の見方がイマイチわからないという人に向けて、
ココだけ押さえておけばOK!なポイント4か所を解説します
①支払金額
支払金額とは、給与や賞与、各種手当などを合算した総支給額のことで、
税金が引かれる前の金額がここに記載されています。
具体的には、以下の合計のことです。
・毎月の給料
・残業代
・賞与
・在宅手当などの各種手当
ただし、交通費などの非課税のものはここには含まれていません。
②給与所得控除後の金額
給与所得控除後の金額とは、先ほどの「①支払金額」から、みなし経費である「給与所得控除」を差し引いた金額です。
ですが源泉徴収票には、「給与所得控除」の金額は記載されていません。
そのため、「①支払金額」から「②給与所得控除後の金額」を差し引くことで、みなし経費にあたる「給与所得控除」が算出することができます。
ちなみに、一般的に「所得」と呼ばれるものはこの「②給与所得控除後の金額」のことを指します。
給与所得控除とは
給与所得控除とは、自営業やフリーランスでいう経費にあたるものです。
通常会社員には経費はありませんが、会社員でも仕事上必要なものを自費で購入しているという考え方のもと、年収から一定額差し引かれるものです。
給与所得控除額は、支払金額に応じた金額が決められています。
③所得控除額の合計額
「②所得控除額の合計額」には、給与所得以外の控除が記載されていて、
所得税を計算するために必要な金額です。
例えば、ふるさと納税や医療費控除など、全部で15種類ある所得控除を合計した金額のことです。
申請した控除額にともなって、合計所得金額が減額され、結果として給与所得控除が大きくなります。
「②給与所得控除後の金額」から「③所得控除額の合計額」を差し引いた金額を「課税所得金額」といいい、「課税所得金額」に所得税率をかけることで所得税が計算できます。
15種類の所得控除
基礎控除
雑損控除
医療費控除
社会保険料控除
寄付金控除(ふるさと納税など)
生命保険料控除
地震保険料控除
寡夫控除
寡婦控除
勤労学生控除
小規模企業共済等掛金控除
障害者控除
配偶者控除
配偶者特別控除
扶養控除
④源泉徴収税額
その名の通り1年間で源泉徴収された所得税のことです。
源泉徴収とは、給与や賞与などを支払うときに、あらかじめ年間の所得にかかる所得税を会社が天引きすることをいいます。こちらも会社側は必ず行わなければなりません。
会社が源泉徴収を行うことで、毎月の給与から少額ずつ所得税を納めることができます。
しかし毎月源泉徴収されている所得税は、暫定的な金額が徴収されています。
なので、払いすぎていたもしくは、足りなかったというのを調整・確定させるのが、年末調整です。
年末調整が正しく行われていれば、調整・確定された金額がここに記載されます。
⑤そのほかの項目
源泉徴収票の赤い枠でくくられた部分は、今まで解説した部分を計算するための内訳部分になります。
具体的には、「控除対象配偶者の有無等」「配偶者控除の額」「控除対象扶養親族の数」など記載項目は様々で、各所必要な部分があれば記載されます。
また、「所得控除の合計額」のもととなる、「社会保険料等の金額」「生命保険料の控除額」「地震保険料の控除額」「住宅借入金等特別控除の額」なども確認できます。
源泉徴収票はどんな時に使う?
確定申告をするとき
確定申告を行うときにも、源泉徴収票が必要です。
会社員や公務員の人は、会社が年末調整を行うため、確定申告の必要はありません。
しかし、年収が2,000万円以上の人や給与所得以外の副業収入などがある場合は、個人で確定申告をする必要があります。
また、医療費控除を受けるときや初年度の住宅ローンの控除を受けるときも確定申告を行います。
2019年4月以降、確定申告書に源泉徴収票を添付する必要はなくなりましたが、源泉徴収票に記載されている情報が必要になります。
会社員向けに確定申告について解説した記事はこちら!
▶▶▶【2023年最新】会社員のはじめての確定申告をやさしく解説!-
転職したとき
転職したとき、新しい勤務先に源泉徴収票を提出する必要があります。
前の会社の源泉徴収票を提出することで、新しい会社があなたの1年間の正確な収入を把握し、年末調整で正しい税額を算出できるようになります。
退職までの収入に関する源泉徴収票は以前の勤務先で発行するため、退職時に受け取り忘れないようにしましょう。
また、12月時点で在籍している会社がない人は注意が必要です。
その場合は年末調整を行ってくれる会社がないため、自らその年の確定申告を行う必要があります。
収入の証明が必要なとき
ローン(住宅ローンやマイカーローンなど)、クレジットカード審査などに申し込むとき、所得証明資料として源泉徴収票が必要になります。
なお、金融機関や申込商品の種類によっては、数か月分の給与明細の提出だけで所得証明資料として認められる場合もあります。
【さいごに】まとめ
源泉徴収票は、受け取った給与や報酬から差し引かれる所得税や社会保険料の額が記載された重要な書類です。
源泉徴収票は、確定申告以外にも、転職や収入証明が必要なときに必要となります。
源泉徴収票を受け取った際には、内容を確認し、誤りがある場合には速やかに修正を依頼することが大切です。
また、個人情報となるため、適切に管理し、廃棄することも重要です。
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